前回の記事でWill, Can, Mustの輪のそれぞれの意味を説明しました。今回は輪の重なりをどうとらえるか、そしてそれをどう意思決定に活用するのかについてお話します。

 

選ぶ道は3つの円が重なる部分にある、でも必ず重なる部分があるとは限らない。

というかないです。だいたいの場合、特に大学生が就職に関しての具体的な意思決定をする場合、WillとMustが重なる部分はあってもCanがそこをカバーできません。例外として専門学校や国家試験などで特殊な技能を持っている人は別です。例えば僕の友人の友人(2回しかあったことはない)はこの秋司法書士の国家試験に合格したのですが、来年から大学生にもかかわらず、司法書士の事務所のほうで月収15万の高額バイトを始めるそうです。うらやましい笑。

 

ただそんな技能は普通の大学生持ってません。さらに、専門学校で学んだから、資格があるからといって即戦力で戦えるかといったらそうではありません。その友人の高額バイトも事務所が彼を採用した本当の目的は即戦力として使うわけではなく資格持ちの人材を大学生のうちから確保しておきたい。もしくは、大学生のうちに実務を経験させなるべく早く一人前にするという目的があると思われます。

 

中期インターンに言っていた時の話ですが、飲み会の席で僕の教育係の方が課長に「いまだに、一人前と思ったことはない」っとめちゃくちゃ厳しいことを言われていました。30代前半の方で結婚もされていて僕から見たら人生の大先輩です。ただ、3週間一緒に働かしていただいて何となくまだ半人前といわれる理由がわかりましたし、そして、本人も強く自覚していたと思います。

この傾向は創造性の高い仕事ほど高いと思います。何をもって一人前とするのか基準はありませんが、きっと満足な仕事を一度もできずにリタイアしてしまう方もいるでしょう、社員として働く仕事は働いてからもCanが足りるということはないのではないのではないでしょうか。そんな仕事はバイトがやればいいんです。

 

ですから就職する前なんか、Canは全然足りてません。人によって違うと思いますが就活生の能力差なんてどんぐりの背比べという感じです。そして、所蔵集団を持たず役職もない就活生は、良くも悪くも自由でMustもぼんやりしています。ただWillだけがどんと存在する感じ。

 

前回の記事で僕はWill, Can, Mustの輪は3つの円の重なる場所を選択するために使うと書きました。でもそれがない選択しが0です。これじゃあWill, Can, Mustの輪を描く意味はないのか、自分に選択できる未来はないのか・・・。不安になってしまいますよね。このことはきっと就活を進めていくうちにこの手法を使わなくても感覚的に気づきます。まだ、ちゃんと就活したことないのでわかりませんが、きっと就活生を追い込むの要因の一つになるのでしょう。自分の現状を把握した時、つまり現在の限界を知った時、人は卑屈になり自分のありのままの姿を隠そうとします。

 

少し脱線しますが、このサイトのメインテーマである企業を考えている人にこの傾向が強いと思います。よく引き合いに出される、現代社会を創造した三人のユダヤ人スティーブンジョブズ、ビルゲイツ、マックザバーグは神様に祝福されて生まれてきたので、できてしまったのですが、普通の日本の大学生は彼らの真似はできません。少なくともこの記事を読んでるあなたはできません。だれも大学生のうちから社会に通用するCanを持ってはいないのです。ですから、自分のCanの輪が小さくても全然劣等感を感じる必要はありませんし、堂々としていればいいのです。むしろ過度に自分の能力を謙遜して過小評価したり、逆に自分の能力をねつ造して大きく見せるのは絶対にやってはならないことです。相手が大学生なら通用しますが、本当に能力を持った人間からはすぐに見透かされて悪い印象を与えてしまいます。

 

 

 

社会で必要とされているCanの成長スピードは大学生では限度がある。

社会人から見たら大学生のCanは大差がない。だからといってCanを大きくする努力を怠っていいわけではないです。でもここで知っている必要があることがあります。それは”それぞれの自分立ち位置によって能力の伸ばせる量違ってくる”ということです。さらに言うと、社会に役に立つ事務的な能力は大学生である以上伸ばしずらいものです。例えば、学生団体の活動を通して営業スキル学ぼうとするとします。ただ、企業や団体のアポをとって実際に交渉をする機会は限られますし、運よくその機会に恵まれても相手が対等に見てることはありません。そして、所属団体内の先輩や同僚からスキルを学ぶことになりますが、その先輩も社会から見たら大したことないでしょう。しかし、就職してしまえばいやでも営業に行かされます。そして経済界の最前線でしのぎを削ってきた上司や取引先の方から毎日様々な事を学ぶのです。ですから、同じ労力と時間をかけても得るものの量が全く異なります。また中期インターンシップの話になってしまいますが、私も今まで半田ごてを使って回路を組んだり、回路図CADで簡単な回路を設計してきました。特に、半田ごては小学生の時から自分のものを買って使ってきたのに全くインターン先では通用しませんでした。何となく今まで持っていた、自分はできる方だという自信が見事に崩れ去りましたね。そして、プロから教わるとほんと上達が早いです。さらに気づいたのですが、学校の先生は実はそんなに実務的な技能に関しては大したことなかったりします。

 

このように社会に出ればすぐに習得できる能力も在学中に伸ばそうとすると効率が非常に悪くなる。というか、不可能になります。逆に、例えば市役所に就職したとしてその都市設計の根拠となる社会学的な理論について上司に聞いてもちゃんと答えられないでしょう。僕もインターン先で無線機の方式について電磁気学を使って説明してほしいと頼んだのですが、そんなこと十数年前に勉強したことだから覚えてないといわれました。でも、大学には必ずその質問に対する第一人者がいて、学生という権限を使えばいつでもというわけではありませんが、無償で答えを聞くことができます。

 

 

社会に求められているCanだけが必要というわけではない

確かに就活に際して、Canの輪として有効なのは実務的な能力だけです。でも、今学んでいることも役に立たないというわけではありません。これもまだ大学生の僕が言うことではありませんが、学問的な知識や理解も必要になります。僕がわかるのは理系職のみで文系のことはわかりませんが文系にも同じことが言えるのではないでしょうか。そして、将来就職してから新しい学問的ことを学ぶ必要になった時、独学でその理論を理解するのは非常に困難なことです。僕のインターン先の企業の人は忘れてしまっていましたが、単にわすれていることと、全く理解していないことは異なります。

 

ですから、今力を入れることは大学生として大学で学べることになります。それは授業以外の学生生活で得ることも含まれますが、こういったことは卒業してしまえば途端に学ぶことが難しくなります。もちろん、実務的なことにも勉強しとくべきですし、実務的な能力の中でも大学で学ぶべきものもあります。ただ、低学年のうちから企業、就職に興味がある人はこのウェートの振り方を間違えて費用対効果が下がってしまう人が多いように思われます。

重要なのはWillとMustの重なる部分とCanの伸びしろ

 

前回の記事で「自分の限界を知って早くおのれのCanを把握せよ」と書きました。しかし、そのCanの大きさは気にする必要はありません。それは事実として受け止めましょう。でも他人はあなたのCanの大きさには案外興味がないものです。むしろ重要なのはWillとMustの重なる部分、そして今後あなたのCanがどう成長していくかです。WillとMustの重なる部分が現時点のあなたの目指すべき未来の姿で、企業の採用担当の方はその未来像とその企業が求める社員像が一致しているか判断します。そのうえでその未来像を実現可能なCanの伸びしろがあるのかを判断するのです。もしも一致していない場合、様々な可能性を持った人材でも採用する可能性は下がります。それは新入社員が企業と自分の方向性のギャップに苦しみ退職してしまうリスクを防ぐためです。不採用となるのはお互いのためという見方もできます。

 

まずは、自分のしたいこと、社会の求められていることは何か見極める必要があります。そのためには情報を得ることが不可欠です。就職されている先輩や周りの大人から情報を日ごろから得るようにすることはもちろんですが、インターンシップに行くのがおすすめです。ネットにもいくらでも情報は転がっていますし、新聞や情報誌を活用する方法もありますが、百聞は一見に如かず、実際に体験した方が短期間に多くのことを得ることができるのです。こういうメディアから情報を得ようとしても有益な情報を見つけるには技術が必要で、結局なにもわからずじまいということが多いんですよね。

 

次に、現在のCanからどの方向にCanの範囲を伸ばしていくのか方針を立てましょう。ここで、現在のCanの範囲はスタート地点に過ぎないのですし、目標が達成されるのはずっと先のことなので今のCanを気にする必要はありません。ただ、人には向き不向きがあるので自分にどのくらい見込みがあるのかは見積もっといた方がいいです。誰しも苦手な事、向いてないことをできるようにするには多大な労力をかけなくてはなりません。ただ闇雲にWillに向かっていくのではなく勝算のある方へ向かったほうがいいのです。でも大学生の時点で自分が何に向いてるかなんてわからないですからだいたいでいいと思います。そして向かっていく先には社会的需要Mustが存在していなければなりません。

 

 

 

Will, Can, Mustの輪を定期的に書いてみる

一回Will, Can, Mustの輪を描いてみてそれで終わりというわけではありません。一年に一回くらい書いてみましょう。いちいち紙に書く必要はありません。頭の中で十分です。僕は何かの待ち時間で2,3時間待たなければならなくてはなった時、頭の中でWill, Can, Mustの輪の輪を描きます。そうすると気づくのですが、輪の形は以前と変わっているのです。特にWillの変化は大きいです。まぁ、単に僕が優柔不断なだけかもしれませんが、大学生のしたい事が変化する普通のことだと思います。むしろ「19の時に決めた道をひたすら突き進む」なんて言ってる人は変です。常に軌道修正していきましょう。

 

今回記事に書いたことはあくまで進路決定の1つの手法です。実際に自分の人生を決める重要な決定をするとき、この輪っかは役に立たないかもしれません。ですが決断が差し迫る前にあらかじめこの輪を書いて自分の置かれた今の状況をクリアにしておことは必ずあなたの役に立ちます。