日本の大学には二つ大きな分類があります.それは「理系か文系か」そして,「公立か私立か」.この違いは大きいです.キャンパスライフもカリキュラムも何もかも異なります.それぞれメリットもデメリットもありますが,これが正解という選択はなく一人一人が自分の適性を見極めて志望大学を選べばいいと思います.

でもひとつだけ,これだけは正しいということがあります.

理系に進学するなら国立大学を目指せ.

 

です.理由は主に二つ

  1. お金
  2. 教員に対する生徒数が少ない.(国立が)

まずはお金の話.理系学生が一年間学ぶためにかかる学費は200万円といわれています.修士までその大学にいた場合は6年間で1000万円になります.ここでまず理解してほしいことが一つ.理系と文系じゃ勉強するのにかかる費用が全然違うということです.入学当初は理系でも文系でもノートと教科書さえあれば勉強できますが,年次が上がってくると理学でも工学でも様々な機材が必要になります.しかも,器具はどれもこれも本当に高い.実験で何気なく使ってる電流計は20万円以上しますし,半導体分野の研究で使われる装置は数千万するものもあります.

さて,国立大学の学費は1年間にだいたい50万円.残りのお金はどこから出ているかというえば税金ってことになります.もちろん,私立大学にもいろんな名目でお金が行政から支払われているので別に国立大学だけが特別ってわけではないです.でもやっぱり額が違うので受験生の方もご存知の通り国立大学のほうが圧倒的に学費が安くなります.



学費だけが問題じゃない

 

家にお金がある方は少しぐらい学費が高くてもいいかもしれません.それに今の時代はいろんなところから奨学金が下りるので何とかしようと思えば私立に通っていてもなんとかなります.ただそういう問題をクリアしてもお金の問題は終わらないのです.ではその問題とは何か一言で言ってしまうと私立と国立は・・・

”一人あたりにかけられている費用が違う”

これは非常に深刻な問題です.費用が違うと,一人当たりの教員数,機材数,学習スペースに差が出てきます.

まずは一人当たりの教員数.理系で独学で卒論が書ける人はいません.もし書けたとしてもそれではわざわざ大学に来ている意味がありませんよね.たしかに独学で学べることもありますが,人に教わることでより多くのことをできるようにするのが正しい大学生だと思います.特に専門性が上がると,世の中に日本語の教科書が存在しない分野が出てきてきます.そういったことは英語の論文を読むか,詳しい先生や先輩に聞くことになりますが,人に日本語で教えてっもらった方が楽に早く理解できます.

各大学の生徒数に対する教師数を比較すると,東大が一番多くて4人に対して1人.そのほかの国立大学は5人から15人に一人って感じです.対して私立大学は早稲田大学が30人に一人,明治大学が32人に一人って感じです.GMARCHでくくられる大学はだいたい30から40人くらいでした.

まぁ,これを見る限り私立と国立では教員の数に2~4倍の差があるわけです.特に研究室単位では国立ではだいたい教員一人に対して3人程度の卒研性がついて卒論を書くのに対して,私立では10人を超えることもあります.生徒をたくさん抱えた先生は大変です.本音は自分の研究を進めたいのに,卒研性のために大量のテーマと実験課題を用意しなくてはなりません.自主的に研究を進められる学生ばかりならそれでうまくいくかもしれませんが,実際は一から十まで指示を出さないと動かない学生もいます.そうなってくると,卒論の内容を薄くしたり,本当は一人で進めるテーマを分割して複数の学生にあたらせたり,はたまた前年度のデータを使いまわしたりしなくてはならなくなるのです.

そうなってくると学生一人当たりの経験量,というか学んだ事も減ってしまいます.私立の方が高いお金を払っているのにおかしいと思いませんか?

次に機材数の話.理系は道具がないとやっていけません.昔の法則や定理は紙と鉛筆を使って発見されました.でも今は理論系の研究室でも高性能なコンピュータがあって,ノーベル賞はモニターの画面から生み出されます.研究室内にどれだけ高度なシュミレーションが可能なコンピュータがあるかでその研究の進行スピードは決まります.

僕が専攻している半導体の分野は特に道具ありきなところがあって,「この設備があればこの実験ができる」,「この機器があればもっと正確な値が出る」実験の内容は道具で決まります.どんないいアイディアがあったとしても,それを実行できる道具がなければ実現できないのです.しかも,半導体の加工機材は一台で一億円を超えるものもあるのでそうそう帰るものではないのです.

そんな高価な機材を一つの実験で何台も組み合わせて使うので,いち研究室では到底そろえることができません.ですから,どこの大学でも高価な加工機器は共用ということになります.そこで問題になるのが使いたいときに使えるかということになります.輪講発表(研究室や学科単位での進捗状況の発表会)前や卒研を書き始める時期に急きょ実験する必要が出てきたということはよくある話ですが,その時使いたい機材が1週間待ちの状態じゃ実験が進まないのです.それに,機材の操作方法も複雑なので学生が多いと教育しきれないという問題も出てきます.

最後に学習スペース.確かに私立の方が設備はきれいです.ここ数年都心には立派な私立大学のキャンパスが続々立ちました.確かに立派な校舎へのアプローチを見るとあこがれてしまいますよね.でも,重要なのは門構えがかっこいいとかトイレがきれいとかじゃなくて,テスト前に占領できる机が学校にあるかなんです.

忘れちゃいけないのが私立の方が学生数が多いこと.同じ学部数の大学だったら私立の方が3倍から4倍学生を抱えています.でも,授業の合間に作業ができるノマドスペースが3倍4倍あるというわけではないのです.所属していたサークルの関係で都内の大学は10校以上いったことがあります.感覚的な話ですがやっぱり私立の方が密度が高いというか.ごちゃごちゃしている印象を受けます.これは人によって好みは分かれると思いますが何年も在籍するのだから落ち着いたキャンパスの方がいやすいのではないでしょうか.

学生数が多いことはメリットか?

 

よく,私立大学の広告で大勢学生を抱えていることをうたったものがあります.でも学生数が多いことはメリットなのでしょうか.確かに学生が多いとスポーツは必然的に強くなりますし,著名な卒業生も増えます.全体的に活躍している学生が多い印象がして魅力的に感じるかもしれません.でもその大学であなたが活躍しなければ意味がないのです.そして,学生数が増えればライバルも増えます.例えば,行政のプロジェクトで海外に生徒を派遣するというものがあるとします.その場合渡航費や現地での滞在費に補助金が出たりと何かとお得なことが多いのですが,各大学にはよく”1大学につき5名学生を派遣してください”というように通知が来るのです.この時,学生数が多いと応募者も増えてその権利を得る可能性は下がりますが,学生数が少ない大学だと選考とかも特になく希望すれば行けるということがよくあるのです.

就職する企業は大きい方がいいかもしれません.でも入学する大学は大きいからいいとは言えません.「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがもろに当てはまるのが大学というところです.(ただ同偏差値帯の話ですこれは・・・)

一番いいのは牛口になることですが,難しいです.なかなか笑,

 

僕は私立大学に在籍したことがないので,本当は国立にも私立にも勤務したことある先生や大学を渡り歩いた博士課程の学生のほうが説得力のある説明ができると思いますが,そんな僕でも確信できるほど理系は国立に行った方がいいです.

でも,本当にどの大学が自分に合っているかは行ってみないとわかりませんし,どんな大学でもメリットデメリットがあります.もし,ここだという大学あるならそこがあなたの行くべき大学だと思います.

 

 




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理系の大学生。
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